平野祭|延喜式祝詞 訓読/正読/原文
天皇が御命に坐せ 今木より仕へ奉り来る皇大御神の広前に白し給はく
皇大御神の乞はし給ひのまにまに 此の所の底津石根に宮柱広敷き立て 高天の原に千木高知りて 天の御蔭・日の御蔭と定め奉りて 神主に神祇某官位姓名を定めて 進る神財は 御弓・御大刀・御鏡・鈴・衣笠・御馬を引き竝べて 御衣は明多閇・照多閇・和多閇・荒多閇に備へ奉りて 四方の國の進れる御調の荷前を取竝べて 御酒は𤭖の戸高知り 瓺の腹満て竝べて 山野の物は甘菜・辛菜 青海原の物は波多の広物・波多の狭物 奧都毛波・辺津毛波に至るまで 雑の物を横山の如く置き高成して 献る宇豆の大幣帛を 平らけく聞しめして 天皇が御世を堅石に常石に斎ひ奉り いかし御世に幸へ奉りて 万世に御坐し在さしめ給へと 称辞竟へ奉らくと申す
又申さく 参集りて仕へ奉る親王等・王等・臣等・百官の人等をも 夜の守・日の守に守り給ひて 天皇が朝廷にいや高にいや広に いかしやぐはえの如く立栄えしめ仕へ奉らしめ給へと 称辞竟へ奉らくと申す
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『延喜式』卷第八|神祇八|祝詞 延喜5年(905)〜延長5年(927)